Columnコラム
総会
2022年 8月
case.10
マンション入居者の
Iさん夫婦(61歳・58歳)
総会の参加人数を増やすにはどうすれば?
管理組合の総会はマンションの最高意思決定機関です。総会にはできる限り多くの居住者が参加することが望まれます。
居住者が総会に参加していないのは、議案に興味を持っていないか、そもそも議案の内容を知らないからです。そこで、マンションの懸案についてアンケートを定期的に実施して、総会の議案になりそうな問題を居住者に理解してもらいましょう。「こんな問題が起きていたなんて!」と興味を持ってもらえたら、総会に足を運んでくれる可能性は高まります。
総会に出たいけれど、都合がつかず参加できない人もいるでしょう。管理規約には、「総会の○日前までに、会議の日時、場所及び目的を示して組合員に通知する」と、多くのマンションで定められています。そこで、総会通知書を作成、配布の際に議案書を一緒に配布してはいかがでしょうか。総会通知書に、出欠通知書、議決権行使書、委任状などを盛り込むのです。この通知書を回収すれば、事前に出欠の状況が把握できるというメリットもありますし、欠席者も議決権を行使できます。総会の2〜3日ほど前を提出期限とするのがいいでしょう。ちなみに、参加者が少ないからといって、決議に必要な賛成の人数を管理規約によって減らすことはできません。
総会の議論をスムーズに進める方法は?
総会通知書とあわせて、事前質問書を配布・回収しておけば、どのような質問が来るかをあらかじめ知ることができます。それに対する返答を用意して総会に臨めば、スムーズに議論を進められるでしょう。
総会で、居住者が事前に予定のなかった課題を持ち出し、総会が長引いてしまうことがあるかもしれませんが、原則として総会で決議ができるのは、事前に通知した議題のみです(区分所有法による)。居住者全員が同意すれば緊急の課題でも決議できますが、その場合は、全員が出席している必要があり、委任状による代理人がいる場合は区分所有者全員の同意にはなりません。とはいえ、居住者も話したいことがあるでしょうから、あらかじめ全員にアンケートを取っておき、希望を聞いてから課題を決定・通知することを試してみてはどうでしょうか。
総会がスムーズに進めば、より暮らしやすいマンションに近づきます。