Columnコラム
長期修繕計画
2022年 2月
case.4
マンション入居者の
Sさん夫婦(45歳・43歳)
小さな破損を発見したら修繕した方がよいですか?
マンションの修繕は、大きく分けて2種類あります。
1つは、建物の老朽化を防ぐために数年おきに行う計画的な大規模修繕。
もう1つは、塗装の剥がれや壁の亀裂といった小さな破損の修繕です。後者は管理会社や入居者からの報告によって対応するケースが多いでしょう。
小さな破損の修繕にどの程度対応するかは、ケースごとに判断しなければなりません。防犯上・安全上の問題がある場合は早急に対応する必要があるでしょう。一方、塗装の剥がれなどは緊急性こそありませんが、マンションの印象を悪くし、マンションの価値を下げてしまう可能性があります。すぐに対応するか、数年おきの修繕まで待つか、管理組合で十分に検討してください。
国土交通省が公表している「長期修繕計画作成ガイドライン」によると、新築マンションの場合は30年以上、既存マンションの場合は25年以上の長期修繕計画を作成する事が示されています。実際の工事の前には、どのような修繕をするか、専門家の協力を得て行ってください。
初回に立てた長期修繕計画を使い続けるべき?
「大規模修繕は12年周期」という説はよく聞かれますが、これは国交省の発行する「長期修繕計画策定ガイドライン」が根拠になっています。しかし、このガイドラインは、12年周期での大規模修繕を保証するものではありません。建物診断などを行い、建物の状況を踏まえた判断ができるようにしましょう。
新築マンションの購入時には長期修繕計画の説明があり、修繕積立金の改定予定もその計画書に含まれているかと思います。また、長期修繕計画は5年毎に見直すことが推奨されており、物価の上昇などにより当初の計画から増額幅が上がることも珍しくありません。計画が適切であるかどうかは管理会社任せになることのないよう、みなさんで十分に確認を行ってください。
専門家による建物診断などを行い、自分たちのマンションに見合った修繕計画を検討してみましょう。