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冬の火災予防について

冬は火事・火災が多い季節です。
この記事では、冬の火事・火災の原因と冬の火災の予防方法について紹介します。

冬の火事・火災の原因

火事・火災の出火原因は、消防白書で確認することができます。
2016年の出火原因と出火件数の1位から10位までは、以下のとおりです。

出火原因 出火件数
1 放火 3,586件
2 たばこ 3,483件
3 コンロ 3,136件
4 放火の疑い 2,228件
5 たき火 2,124件
6 電灯電話などの配線 1,310件
7 ストーブ 1,210件
8 火入れ 1,197件
9 電気機器 1,132件
10 配線器具 1,132件
総件数 36,831件

参考:平成29年版消防白書

1日あたり約100件の出火がある計算です。

冬に火災の原因となりやすいストーブや暖房器具

冬は、空気が乾燥して火災が発生しやすい気候条件が整いやすい季節です。
また、気温の低下に伴い暖房器具の使用頻度が増え、暖房器具を消し忘れや転倒が原因で、近くに置いていた物に炎が燃え移ったなどの理由で火災が増加します。
出火原因のうちストーブや電気機器などは冬の火災の原因の代表的なものです。

冬の火災予防について

石油ストーブの取扱に注意

カセットボンベ・スプレー類・カーテン・紙類・衣類・その他可燃物はストーブの近くに置かないようにしましょう。洗濯物を乾かそうとして近くに置いておくと、何らかの拍子に引火する恐れがありますので、お止め下さい。
給油時に誤って石油をこぼさないよう気をつけましょう。なお、石油ストーブに給油する油種を間違えると、故障や出火の原因になりますので、必ず購入時に確認してください。

冬の火災予防について

また、消し忘れた暖房器具を原因とする火災は、毎年、必ず起きています。誰もいない部屋で暖房器具を使用することは控え、部屋の中から誰もいなくなるときは暖房器具を切ってください。また、就寝時には石油ストーブを切り、エアコンや湯たんぽなど火災の危険が少ない暖房器具に切り替えましょう。

冬の火災予防について

火災警報に注意する

火災が発生しやすい気象条件になった場合に自治体から火災警報が発令されます。発令の基準は、原則として湿度と風速ですが、具体的な数値の基準は各自治体によって異なります。下記に一例を挙げます。

  • 実効湿度が55%以下で最少湿度が25%以下になったとき。
  • 実効湿度が60%以下で最少湿度が30%以下となり、最大風速毎秒10mを超える見込みのとき。
  • 風速毎秒12m以上の風が1時間以上連続して吹く見込みのとき。

※実効湿度:前日と当日の平均湿度で計算される、木材の乾燥具合を表すもの

火災警報が発令された場合は、いつも以上に火災発生に注意しましょう。また、延焼被害も想定し、自宅のみならず屋外に注意を向けておく必要もあります。

乾燥注意報に注意する

乾燥注意報は、空気の乾燥で、火災などによる災害が発生するおそれがあると予想した場合に気象庁が発表します。発表基準は火災警報よりも低いため、①乾燥注意報、②火災警報の順に発表・発令されることが多くなっています。
乾燥注意報が発表されたら、火の元を確認するなど火災予防を意識した行動を取りましょう。

住宅用火災警報器と消火器を設置する

住宅用火災警報器と消火器は、家庭の火災予防の必需品です。マンションの場合、消防設備として感知器が室内に既に設置されている場合も多いと思いますが、設置基準により異なりますので、今一度ご確認下さい。
また、消火器も管理組合で保全を行うのは共用部分に設置されているもののみですので、各ご家庭で別に消火器を購入されることをお勧めします。ご自宅の初期消火に瞬時に対応できます。

冬の火災予防について

防炎品を購入する

近年、防炎カーテン、防炎ふとん、防炎パジャマなど燃えにくい製品が多数販売されており、火を起こす器具の近くで使用する物を防炎品に取り換えることも、火災予防として有効です。
ただし、防炎品は「燃えにくい」製品であり、「燃えない」製品ではありません。
そのため、「防炎カーテンの近くなら暖房器具を使用して良い。」というわけではありませんので、誤解しないようにしましょう。

火災が一番多い季節は冬ではない?

1年で1番火災が多いのは「冬」だと思っている人が多いのではないでしょうか?
しかし、平成29年版消防白書で確認すると、最も多いのは冬ではありません。

季節 出火件数
2015年 2016年
春(3~5月) 12,322件 10,891件
夏(6~8月) 8,237件 8,526件
秋(9~11月) 8,323件 7,399件
冬(12~2月) 10,229件 10,014件
合計 39,111件 36,831件

出火件数が1番多いのは、2015年と2016年いずれも冬ではなく春です。また、夏と秋にも相当な件数の出火が起こっています。
火災予防は、年間を通して継続することが大切です。